【逃げ上手の若君】第20巻のネタバレと感想！吹雪との師弟決戦がついに決着！

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かつての仲間が、最も深い因縁を抱えた“敵”として立ちはだかる――。
『逃げ上手の若君』第20巻では、北条時行が「神力・野心」を宿す吹雪との激突に挑み、戦いの中で“主君”としての成長を遂げていきます。

かつて剣を教わった相手に、自らの“信念”と“変化”で立ち向かうその姿は、ただの勝敗を超えた魂のぶつかり合い。
師弟の絆と断絶、そして悲しき別れが描かれるこの巻は、シリーズでも屈指の感情濃度を誇ります。

本記事では、第190話〜197話の内容を中心に、詳しいネタバレ・感想・考察をお届けします。

注：ネタバレが含まれますのでご注意ください。

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【逃げ上手の若君】第20巻のネタバレ・あらすじ

逃げ上手の若君の第20巻の見どころをネタバレを含みながら紹介します。

「逃げ上手の若君」第20巻の主な内容まとめ

第20巻では、北条時行が新たな神力の使い手たちと対峙し、師弟の絆が試される中で、大きな精神的成長を遂げていく様子が描かれます。かつての仲間・高師冬（吹雪）との直接対決は、シリーズ屈指の感情的な戦いへと発展します。

第190話：尊氏と直義、決裂の幕開け

• 足利尊氏が政務を放棄する一方で、弟・直義と高師直の対立が深刻化。
• 田楽桟敷崩壊事件では、尊氏が“神力”を得た兆候が描かれる。
• 兄弟の絆はついに決定的に破綻。

足利尊氏と直義の兄弟関係が決定的に破綻する重要なエピソードであり、尊氏の「神力」の存在や、直義の排除が描かれています。

第191話：直義失脚、直冬が挙兵

• 尊氏の子・義詮が後継に指名され、直義は完全に失脚。
• 足利直冬が父を救うべく立ち上がり、関東にも波乱の兆し。
• 時行と三人の正室の関係も微妙に進展。

時行と彼の正室たちの関係性の進展と、足利家の内部抗争の激化という二つの大きな展開が描かれた重要なエピソードです。

第192話：関東に火種が広がる

• 吹雪が関東執事に就任し、冷酷な統治で直義派を抑圧。
• 上杉憲顕との統治スタイルの違いが明確に。
• 春日顕国との再会で吹雪の内面に揺らぎが生まれ始める。

関東における直義派と師直派の対立が本格化し、吹雪と春日顕国の再会が描かれます。吹雪の冷酷な統治と上杉憲顕の柔軟な政治力が対比的に描かれ、関東の情勢が不安定になる中、今後の展開に注目が集まります。

第193話：時行、装束と戦法を一新

• 魅摩の監修による新戦装束をまとい、時行が戦場へ。
• 吹雪との対決に向け、過去最大級の準備を整える。
• 魅摩は戦場に同行できず、別れの場面が印象的。

時行の新たな装束と戦略、吹雪との対峙、魅摩の別れなど、物語が新たな局面を迎えます。

第194話：“野心”の力と剣術のぶつかり合い

• 吹雪の神力「野心」に苦戦する時行。
• 魅摩の設計による“袖を使った剣術”で応戦。
• 吹雪は時行の成長を認めつつも容赦なく攻め立てる。

時行の成長と吹雪との因縁の対決が描かれ、物語が新たな局面を迎えます。

第195話：過去と向き合う吹雪

• 吹雪の過去が明かされ、妹・六花の死と父殺しの背景が判明。
• 「野心」は愛を喪った末に得た歪んだ力であると示される。
• 時行は彼に“生き直す道”を示すような立ち回りを見せる。

吹雪の過去や内面が明らかになり、時行との因縁の対決が描かれます。吹雪の別れは、彼の成長を示しており、物語に新たな展開をもたらします。

第196話：血と涙の過去、吹雪の“答え”

• 鬼心仏刀により吹雪が重傷を負い、最期の時間へ。
• 妹の幻影と向き合い、憎しみよりも後悔を選ぶ。
• 吹雪の“野心”は終息し、時行との因縁も静かに決着へ。

吹雪の過去や内面が明らかになり、彼の行動の背景が理解できるようになります。また、時行の成長や戦いの中での変化が描かれ、物語に深みを与えています。吹雪の別れは、彼の内面の変化を象徴しており、今後の展開に期待が高まります。

第197話：戦いの終わりと静かな別れ

• 鬼心仏刀で吹雪の「野心」が祓われる。
• 吹雪はかつての主君である時行に謝罪しながら静かに息絶える。
• 師弟の悲しくも美しい決別が描かれ、20巻のクライマックスに。

吹雪の過去や内面が明らかになり、時行との因縁の対決が描かれます。

→ 20巻は、かつての仲間との別れを通して、若君が真の“主君”として一歩成長した巻といえるでしょう。

【逃げ上手の若君】第20巻の感想

第20巻は、かつての師弟――時行と吹雪が再び剣を交える中で、「野心」と「後悔」、「過去」と「未来」がぶつかり合う、心を揺さぶる物語が描かれます。

吹雪の過去についての感想

吹雪というキャラクターに、これほど深い背景があったとは思いませんでした。妹・六花を失い、父を自ら手にかけたという過去は、彼の神力「野心」が単なる強さや野望ではなく、“失うことへの恐怖”から生まれたものだと明かされます。

→ その狂気の中に、愛と悔いが混じっているのが本当に切なく、読みながら胸が詰まりました。

時行の成長についての感想

吹雪との戦いに臨む時行は、単なる剣の腕だけでなく、仲間との連携、装備の工夫、そして敵の“心”に触れる力を持ち始めています。

• 自ら考案した戦法で戦い、
• 仲間の支えを素直に受け止め、
• 敵に「生き方の選択肢」を見せようとする――

→ 彼が「逃げる若君」から「導く主君」へと確かに変わり始めているのを感じました。

“鬼心仏刀”という技についての感想

時行が放った一撃「鬼心仏刀」は、“野心＝毒”を血ごと流し出す技。
これが、単なる殺傷技ではなく「魂を救う」ような意味を持っていたのが印象的でした。

→ 力を削ぎ落すことで相手を救う。“強さとは何か”を問い直す象徴的な一撃だったと思います。

吹雪の最期についての感想

吹雪は最後、時行に謝罪し、救われたような顔で散っていきます。
それは、“許された”というより、“理解された”ことに対する安堵のように感じました。

→ 敵を斬って終わるのではなく、“心で終わらせる”ことができたのは、今巻の最大の感動ポイントです。

【逃げ上手の若君】第20巻の考察

第20巻は、物語上の“転換点”ともいえる巻。

吹雪というかつての仲間が「敵」として立ちはだかり、その神力「野心」によって、時行は“戦う理由”を再定義する必要に迫られます。

このセクションでは、神力の本質、師弟の関係性、今後の展開の伏線などを中心に考察していきます。

考察①：「野心」は“呪い”であり“願い”

吹雪の神力「野心」は、当初は“支配欲”の象徴のように描かれましたが、20巻でその根源が明かされました。

• 父親に仕込まれた“強くなければ価値がない”という教え
• 妹・六花の死によるトラウマと罪悪感
• 愛情を受け取れなかったことが生んだ“認められたい”という渇望

→ つまり「野心」は、心の空白を埋めようとする“歪んだ願い”だったと読み取れます。

また、「野心」を抜かれた吹雪が穏やかな顔で死んでいったことは、この力が“本人を縛る鎖”でもあったことを示唆しています。

考察②：時行の「逃げ」は、もう“逃げ”ではない

時行はこれまで「逃げる」ことで勝利してきた人物でしたが、20巻では“逃げずに立ち向かう”ことで師を救いました。

• 鬼心仏刀で相手の神力を削ぐ → 正面から「野心」と対話する構え
• 装束や戦術を練る → 己の意思で戦い方を選ぶ
• 魅摩・仲間の力を素直に受け入れる → 共に戦う姿勢

→ もはや“逃げ上手”というより、“生き残る覚悟を持った王子”になりつつある。

「逃げ」とは、時間を稼ぐこと。
「立ち向かう」は、未来を奪い返すこと。
時行はその両方を、今作で体現し始めています。

考察③：吹雪の死がシリーズの“脱皮”を象徴

吹雪は、序盤から登場し、時行の剣の師でもあった存在。
その彼が20巻で退場するという展開は、物語のフェーズが完全に“独り立ち”に移行したことを示しています。

• 「先生がいないと戦えない」から「先生を越えていく」へ
• 師との別れは、少年が“主君”になる試練
• 敵として死んだのではなく、“元仲間”として決着がついた意味

→ この巻は“主人公卒業式”ともいえる構造で、今後の時行は誰かの“師”になっていく役割を持つのではないかと考えられます。

考察④：「鬼心仏刀」と“神力”の真の役割

鬼心仏刀は、ただの技ではありません。
それは「心を貫き、毒を祓う」ものであり、神力を“戦う力”ではなく“浄化の力”として描いた点が秀逸でした。

→ 神力とは破壊ではなく、感情の極致から生まれる“人間の本質”なのでは？

• 「野心」は喪失からの渇望
• 「逃げ」は生存への意志
• 神力は、感情の“臨界”に触れたときに発動する力であり、いずれ時行にもまた違う形で神力が宿る可能性も？

【逃げ上手の若君】第20巻ネタバレ感想まとめ

『逃げ上手の若君』第20巻は、師でありかつての仲間・吹雪との別れを通じて、北条時行が本当の意味で“主君”へと変わっていく姿を描いた、シリーズの大きな転換点でした。

• 神力「野心」は、強さではなく“心の傷”の象徴だった
• 吹雪の過去と向き合うことで、時行もまた過去と決別できた
• 「逃げる」ことで生き残るだけの存在から、「導いて守る」存在へと進化

戦いや技の描写はもちろん、キャラの内面を丁寧に描いた今巻は、心に残るセリフや瞬間の連続でした。

→ 失ったものの痛みを越えて、若君は未来へ歩き出す―― 第21巻では、再び仲間とともに、歴史を変える戦が幕を開けるはずです。次巻にも期待！